常本八のブログ

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【きっと、うまくいく】映画一番好きな映画!!

 



こんにちは、常本 八と申します。

 

 

皆さんは「きっと、うまくいく」というインド映画をご存じですか?

私が一番好きな映画です。5~6年前にこの映画を観たのですが、その時の感動と満足感は今でも忘れません。

 

以来この映画をあらゆる人にオススメしているのですが、なかなか観てもらえないんですよね。インド映画と聞くととっつきにくさを感じて、手が出にくいという人が多いようです。本当に面白いのでぜひ観ていただきたいのですが.....

 

* * *

 

 今回はそんな私のお気に入り映画について、視聴した感想・思ったことをまとめました。

 

 

 

 

あらすじ

 ランチョー、ラージュー、ファルハーンの3人はインドの名門工科大学ICEに在籍する理系大学生。

 ランチョーは目先の困難を知識の応用で解決してしまう閃きの天才。探求心が旺盛で日々多様なことを考えている。ひょうきんな性格とは裏腹に、大学の教育方針や社会構造に対し疑問を呈している。

 ラージューは学業や将来に対し強烈に不安を抱いている貧乏学生。不安を紛らわすために常に神に祈っており、神頼みのためにつけた指輪は指の数よりも多くなってしまった。

 ファルハーンは、写真家の素質がありつつも家族からエンジニアになるよう強いられた、おっとりとした性格の学生。名門ICEに入学したものの、未だに写真家の夢を諦めきれないでいる。作中のナレーションを務める。

 

 物語は、彼らが学生時代にチャトルという男と「とある約束」を交わした日の10年後から始まる。ファルハーンとラージューはチャトルから呼び出され、その約束を思い出すことになった。急いで約束を交わした場所に向かった2人だが、その場にランチョーの姿はなかった。

 チャトルによると、ランチョーは今シムラという場所にいるという。3人はランチョーに会うため、車を走らせた。

 

 果たして、彼らはランチョーに会うことができるのか。10年の歳月を経た「とある約束」はどのような結末を迎えるのか。彼らの波乱万丈な学生生活の回想とともに、ランチョーの知られざる過去が明らかになっていく。

 

感想(ネタバレなし)

 とにかく面白いです。3時間が一瞬で過ぎました。

 

 映画視聴中は終止笑っていました。シリアスで緊張感漂う場面もありますが、その雰囲気が引きずられることはなく、ランチョーが機転を利かせて笑いに変えてしまいます。このストーリーの軽快さとコミカルさが心地良いんですよね。ランチョーのように知識を応用してうまく場を切り抜けられる人には憧れます。

 

 余談ですが、ランチョー役を務めたアーミル・カーンは撮影当時44歳だったらしいです。劇中では20代にしか見えなかったので、この話を聞いたときは本当に驚きました!

 

 インド映画というと、ラブロマンスと唐突なミュージカルが印象的ですが、この作品もその例に漏れません。しかしそれがノイズになっているというわけではなく、ストーリーを引き立たせる重要な要素になっていました。

 特に劇中でも特徴的な「All Izz Well」という曲は聞くだけで明るい気持ちになれる、中毒性のある曲です。インドポップなので歌詞の意味が正確にわからないのが残念なのですが、私は未だに聴いています。

 

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Aal Izz Well 

 

 

それと、大学の屋上の壁一面に数式が書かれているのが堪らないです。

 

感想(ネタバレあり)

 ランチョーが考える「学問」について

ウィルス学長は「人生は競争だ。必死で走らないと蹴落とされる」と述べていました。この考えは作品のいたるところに現れており、非常に印象に残るセリフです。

 名門大学ICEはこの考えを反映し、競争に勝てる人材を作るべく学生に知識を詰め込ませてばかりいました。

 

 これに対し、ランチョーは「学問」ではなく、「社会で成功する方法や点の取り方」ばかりを教える大学の方針はおかしいのではないかと学長に疑問を呈しました。

 

しかし、この訴えは正しいのでしょうか?

 

私は、ランチョーの訴えは正しいと考える一方で、学長のやり方も一理あると考えました。

 

 学問の本質は点を取ることではなく、知識を身に着けることで生活や社会をよりよくするというところにあると思います。確かに、その学問をきちんと身に着け、絶えず好奇心を持ち続けるという態度ができれば自ずと点は取れるかもしれません。点の取り方ばかりを追求して本来得るべき技能をちゃんと手に入れられないのは本末転倒であり、真の「教育」とは言えないでしょう。

 

 しかし、この世の中はランチョーのように学問への意欲をつかめる人ばかりではありません。そういった人にとって点の取り方を学ぶというのも大切な勉強のひとつであり、必ずしも悪とは言えないでしょう。

 

 特にインドは熾烈な競争社会となっています。これは、かつて存在していたカースト制度の名残により職業のもつ重要性が不当に高くなっているからだと社会の先生が教えてくれました。

 

 そういった背景を踏まえると、社会競争の勝ち方を教わるというのは大事なことにも思えてきます。一見歪んだ思想を持っているように見えた学長ですが、彼もまた彼の正義、彼なりの世渡りのエッセンスを教えようとしていたとわかります。

 

とはいえウィルス学長のやり方は極端で、学問の楽しさを一切無視した教育方針でした。

学問の楽しさを教え、生活を豊かにする有用な知識を与えるというのも教育の重要な役割だということをランチョーは訴えていたのではないかと考えました。

 

 

ランチョー流の生き方

  ランチョーは、嫌がらせをする上級生に対し、部屋の電気配線とスプーンを用いた道具を作り撃退したりするなど、目の前の物事をフルに活用して困難を乗り越えていました。

 目の前の物事を最大限活用するという姿勢が作品のあちこちから感じられ、これがランチョー流の生き方なんだと考えました。

 

 この考えは授業を追い出されては他の授業に潜り込み、様々な知識を能動的に吸収していたランチョーの生き方からもうかがえます。

 

 また、ランチョーがファルハーンへカメラマンになることを勧めた時には

「工学なんかやめて動物写真家になれ。才能が生かせる仕事をするんだ」

と言っていました。折角なら自分が持っている能力を最大限生かせる、好きな仕事をするのがいいというメッセージでした。そのためにランチョーは、ファルハーンがかつて写真家へ書いたものの投函を迷っている手紙を出してしまうように説得します。

 ランチョーは大きな問題に直面したら、悩んでいてもしかたないから目の前のできることを最大限やって、あとは「Aal Izz Well」(うまーくいーく)と楽観的に構えているのがいいという考え方をしているととらえました。

 

自分ができる、やれることを最大限やったら、成功は後からついてくる。この考えは、

「成功を求めて勉強してはいけない。成功の背中を決して追うな。美徳に従えば成功は自ずとついてくるものだ。」

というランチョーのセリフにも表れています。

 

ここで勘違いしてはいけないのは、目の前のやるべきことをちゃんとやっていないのにうまーくいくと唱えていても、何も起こらないということです。楽観的に構えているだけでうまくいくなんてそんな都合のいいことはありません。

 

 作中では成績がいつも及第点のラージューやファルハーンも、ICEに入学している時点で相当な努力をしているはずです。それに、「1学期で42の試験をパスしなくてはいけない」彼らは、日々勉学に励んでいるわけですから、一般人よりも苦労をしていることが伺えます。

 

 私たちは、つい何もしていないのに「思った通りにことが進めばいいな~、成功しないかな~」なんて考えてしまいます。楽な考えに流されてなんとなく生活していたら生産性も何もない、退屈な人生になってしまうでしょう。

 

ランチョーは、そういった人生から脱するようなヒントを教えてくれたのかもしれません。

 

 

私は工学系の人間なので、彼らと身分が似ているという点でもかなり考えさせられる点の多い映画でした。私の価値観に大きく影響を及ぼした作品と言って過言じゃないと思います。

 

 

 

あ~~~~、

ランチョーみたいな人間になりたい。

 

そのためには努力を怠らないようにするのが大事なん。

 

 

 

 

 

本日はここまで。

よかったらまた読みに来てください。